無効電力の正体を暴く(三角関数だけを使って)
無効電力の本質
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ペンギン先生、無効電力って結局何なんですか?仕事をしないけど、交流回路内に実際に存在しているんですよね。わけわかんないです。
三角関数を使うだけで簡単に理解できるよ。
やっぱ数学を使わなきゃダメですか?
使わなきゃいけないってわけじゃないけど、無効電力がどんな感じのモノなのかを理解する為には一番楽な方法だと思うよ。
難しい三角関数を使いますか?
高校で使う三角関数だけだね
それなら授業を受けます。
電力を三角関数で表してみよう
とある回路に電圧をかけて電流を流してみたんだけど、その電圧と電流のグラフを下に描いてみたから見てみて。
電圧と電流はθだけ位相がズレてますね。この場合の有効電力と無効電力は どんな感じになるのでしょうか?
まぁそんな急がないで。まずは以下に電力を求める式を紹介するわ。
そうですね。電力は電流と電圧を掛け合わせたものです。
その計算をした結果が、以下の赤いグラフなんだけど、これからこのグラフを分析してみる ってわけよ。
まずは、電圧のグラフと電流のグラフを数式で表してほしいんだけど 出来る?
出来ると思います。これで合ってますか?
合ってるよ。じゃぁ次は、電力のグラフを数式で表せる?
ただ電圧と電流を掛け合わせるだけですよね。簡単です。以下でどうでしょう?
電力を2つの項に分解してみよう
いいんだけど、その電力の式を展開すると、以下となるんだわ。
え、どうやったらそうなるんですか?
下を見てみて。特に式変形を理解する必要はないけど、気になるならこのサイトが参考になるかも。
どうも。でも、その得られた式は、無効電力とどう関係しているんですか?
実はめちゃくちゃ関係してるんだわ。下を見てみ。
何で左側の項は有効電力で、右側の項が無効電力だと言えるんですか?
その話に移る前に、電力の式を実効値を使って書き直せる?式が見やすくなるからさ。
承知しました。以下の様に実効値を代入します。
そうだね。そうしてちょうだい。
電力の式が少し見やすくなりました。
ありがとう。これからその電力の式をよ〜く観察することになるわけよ。
有効電力の正体
有効電力と無効電力の式がわかったから、それらのグラフを描いてみよう。まずは有効電力から始めて欲しいな。
了解です。有効電力は 以下の黄色のグラフになります。
いいね。けど どうやってそのグラフを描いたのか教えてくれる?
以下に示すように、VIcosθ は定数で、1-cos2ωt は 0〜2 の間で振動する関数ですので、有効電力のグラフの平均値は VIcosθ となり、振幅も VIcosθ となります。
そのグラフから何が言える?
有効電力の公式が VIcosθ になる理由がわかります。有効電力のグラフの平均が VIcosθ になるからなんですね。
そうだね。有効電力は、平均すると VIcosθ の仕事をしているってことだね。
無効電力の正体
じゃぁ次は無効電力のグラフを描いて欲しいな。
無効電力の式の形は『 定数×sin2ωt 』ですね。簡単にグラフを描けます。 はいどうぞ。
完璧だね。で、無効電力は仕事をしていると言えるかい?
いいえ、そうは言えないですね。無効電力のグラフの平均は 0 ですから。
無効電力について理解できた?
大体は理解できたんですけど、ひとつ質問があります。無効電力のグラフの下半分は何を意味しているんですか?マイナスの仕事をしてる?
放電によって電力を電源に返している っていう言うとわかりやすい?
完璧に分かったとは言い難いです。。
それに関しては『無効電力の正体を、数式を使わずに暴く(製作中…)』で説明するよ。
ありがとうございます。その授業に参加してみます。