センサーにおけるNPNとPNPとは何か?

 

機械屋さんのためになる、電気の知識

 

 

 

 

機械屋さんの悩み

 

機械屋さんが機械の設計をしているとしましょう。その機械にはいくつかのセンサーを取り付ける必要があります。カタログを手に取り、センサーの選定をしていると、『NPN』とか『PNP』という言葉を目にすることになります。

それらの言葉は耳にしたことがあって、『トランジスター』と関係があるということは知っております。しかしながらトランジスターに関してあまり詳しく知らないので、どうやってトランジスターが動作するのかを調べ始めると、「トランジスターの動作を理解するには時間がかかりそうだ・・・」という結論に至り、NPNとかPNPが何なのかということを理解することを諦めます。。。

この記事が、そんな機械屋さん達の助けになることを望んでおります。

この記事を読むと、『NPN型センサーとPNP型センサーがどう動作するのか』、『どうやってPLCと結線するのか』ということが理解できます。PLCの知識が無くても、この記事を理解することができます。

 

 

センサーにおけるNPNとPNPとは何か?

 

ご想像の通り、トランジスターは様々な使われ方をしております。しかし、以下に示すようなセンサーの場合においては、様々なトランジスターの使われ方の内 ひとつだけ考慮すれば大丈夫です。なぜなら、これらのセンサーはただの『スイッチ』ですから。ということで まずは、トランジスターがスイッチとして使用される場合はどうやって動作するのか ということを話します。

 

 

ところで、上に示したセンサー自体はトランジスターではありません。あたかもトランジスターの様に動作する というだけのことです。

 

 

スイッチとしてトランジスターを使用する際の基本的な知識

 

下の図はNPN型トランジスターとPNP型トランジスターを示す記号です。記号内の矢印の向きに着目すれば簡単に覚えることができますね。NPNは『Never Points iN』、PNPは『Points iN Permanently』って感じで。

 

 

これらはスイッチとしてどうやって動作するのでしょうか?結構簡単な仕組みです。B-E間にわずかな電流が流れれば、下の図の様にCとEがまるでジャンパー線を接続したかのように結合されます。

 

 

すると、C-E間に電流を流すことができるようになります。この電流が主回路の電流となります。

 

 

こんな感じで、トランジスターはスイッチとして使用できます。下の図に示すように、B-E間の電流はスイッチの『ON/OFFボタン』とみなすことができますね。

 

 

 

NPN型センサーやPNP型センサーはどうやって動作するのか?

 

下の図では光電センサーを例にとり、NPN型センサーとPNP型センサーが具体的にどうやって使われるのかを示しました。センサーが物体を検出すると、センサー内部の接点が閉じ、B-E間に電流が流れます。既にご紹介したように、B-E間の電流はC-E間に電流を流すための引金であるため、C-E間に電流が流れるようになり、ランプが点灯します。

 

 

ここで大事なのは負荷(=豆電球)の位置です。下の図に示すように、負荷の位置が逆側でも良いのではないかと思うかもしれませんが、E側(エミッタ側)に負荷を接続してはいけません。

 

 

その理由に関して深入りはしませんが、簡単に言うと、B-E間の電流を制御しづらくなる為です。実は、C-E間の電流の大きさはB-E間の電流の大きさに左右されるため、B-E間の電流はかなり重要となります。つまり、エミッタ側に負荷をつなぐと、B-E間の電流が正しく流れない可能性があり、それはC-E間の主電流が正しく流れない可能性があることを意味します。

 

 

ややこしいでしょうか?気楽にいきましょう。この記事を読むうえで重要なことは、『負荷はコレクタ側』 ということです。言い忘れましたが、Cはコレクタを意味します。

 

 

 

NPN型センサーやPNP型センサーをどうやってPLCと結線するのか?

 

NPN型センサーとPNP型センサーの内部回路は一般的に下図の様に示されます。

 

 

で、どうやってセンサーとPCLを接続すれば良いのでしょうか?その前にPLCとは何かを簡単に説明しておきます。PLCの役割は、入力された信号に基づき出力する信号を決めることです。『PLCの2番に電流が流れた場合、PLCの6番に電圧をかける』みたいなことがPLCの役割です。PLCの6番に電圧がかかったときにエアシリンダが動作するような電気配線をしておけば、『PLCの2番に電流が流れた場合、エアシリンダが動作する』ということが可能になります。今回の記事では、PLCの入力だけに注目します。下の図の様に配線をすると、PLC内部の2番の負荷に電流が流れ、「2番に電流が流れているぞ」ということを機械に知らせることができます。

 

 

センサーが物質を検出すると、PLCの2番が点灯する。こんな状況をつくるためにはどうすればよいでしょうか?まずはNPN型センサーとPLCの接続方法を考えてみましょう。

『負荷はコレクタと接続する』ということはまだ覚えていらっしゃいますか?負荷とコレクタを接続した図を下に示しました。

 

 

次のステップへ進みましょう。下の図の黄色い矢印の向きに注目して下さい。

 

 

上図に示した矢印の向きに電流を流す為には、下の図の様に配線すればOKですね。これでNPN型センサーとPLCの接続は完了です。

 

 

今度はPNP型センサーとPLCを接続してみましょう。下の図が接続図です。

 

 

 

 

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